第2分科会はユニバーサルデザインというテーマで、助言者に京都府視覚障害者協会の内野正光会長をお迎えし、進行には鳥羽晶幸全国委員(北海道ブロック)、舟崎隆・古賀恵依子(常任委員)が当たり、以下の4議題について、熱心な討議と意見交換が行われました。また第2分科会には、日盲連情報部の川畑さんも同席されました。
1.テレビ放送における視覚障害者向け音声解説放送の普及を促進するための
法整備を要望する。(福井県)
2.視覚障害者にも操作が容易なテレビ録画レコーダーの生産と適正価格での
販売を要望する。(大阪府)
3.家電製品に対する、ユニバーサルデザイン化を、さらに強化してもらえる
よう、議論してもらいたい。(神戸市)
4.次世代型コインロッカーにおいて、タッチパネル方式が採用されており、
これが普及すると視覚障害者がそれを使用出来なくなるので関係機関に適切な対
応をしていただきたい。(滋賀県)
テレビ放送における音声解説放送では、イギリスで法的義務が定められていることを紹介し、日本においても日盲連が現在取り組んでいる「音声解説放送における調査・研究」をふまえ、2011年7月から全国で実施される「地上デジタル放送」において、テレビ放送における情報格差が生じないよう、日盲連も含めて活動を強化してほしいとの活発な意見が出されました。またデジタル放送における付加情報の入手が現在の機器では全くできないため、視覚障害者が容易に取り扱える機器の開発も進めてほしいとの声も出されました。
視覚障害者にも操作が容易なテレビ録画テープレコーダについては、以前はこのような機器があったものの、現在は販売中止になっている現状をふまえ、視覚障害者が独自で操作できる録画機器の販売を要望するものでした。また大阪府の取り組みである家電メーカーとの懇談をしたときに、視覚障害者がテレビを録画し視聴することの認識が無かったことを知らされました。もっと視覚障害者もテレビやビデオなどを利用していること、今後も利用し続けたいことをメーカーにアピールする必要があるのではないかとの声が出されました。
家電製品のユニバーサルデザイン化については、メーカーが商品開発をする際には、是非日盲連や青年協に意見を求めたり、モニタリングをするなどして、使いやすい機器になるようはたらきかける必要があるのではないかとの声が出されました。また日盲連情報部の川畑次長から「JIS高齢者・障害者等配慮設計指針」が出されており、メーカーの開発者との協議ではこれも参考にしてもらいたいとの情報が提供されましたが、フロアからはこのJISを点字やテキストファイルなどにして視覚障害者がわかるようにしてもらいたいとの声が出されました。
次世代型コインロッカーとは、操作盤がタッチパネルで、さらに液晶表示された数字を携帯電話でダイヤルする方法で、視覚障害者には全く使えないものになっています。しかしこのコインロッカーの存在を知る参加者が少なかったため、今後メーリングリストなどで情報交換をすることとしました。おそらく今はさほど普及していないようですが、この形のコインロッカーが一般的になれば、視覚障害者が使用できないものになるので早いうちから情報収集し、必要な対応をとることが大切であるとの声が出されました。以下に関連URLを記します。
http://www.x-cube.co.jp/web/index.html
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