第1研修会では、全盲の弁護士 竹下義樹氏をお迎えし、2009年より導入される「裁判員制度」について研修を行いました。 裁判員制度とは、国民から選出された6名の裁判員と、3名の裁判官からなる合議体により刑事裁判の判決・量刑を決定する制度です。 研修会では、まず裁判員制度の紹介ビデオを、深田美智子さんのご協力のもと副音声付で鑑賞しました。 その後、竹下先生より、裁判員制度の概要や、私たち視覚障害者が裁判員として選出された場合、ど のような配慮がなされなければならないのかなど、先生の豊かな経験の中から感じておられることをふ まえた形でお話いただきました。 供述調書など裁判資料は、膨大な量があります。視覚障害者が裁判員として、職務を遂行する上で、これら資料の点訳・音訳等での情報提供は欠かすことができません。しかし、全てを読みこなすことも大変難しいことですので、その資料の中のどの部分が最も必要なものなのか取捨選択し、速やかな情報提供ができる体制づくりが必要になります。 また、証拠物件や被告人の表情などを伝える補助者の存在も大切になってきます。表情などを伝えるということは、どうしても補助者の主観が入ってしまうという危険性も考えられますが、その主観的な情報も大切なものとして受け止めていくことが重要であるとのことでした。 また、証拠物件などを補助者の協力のもと、どのように認識してきたかについても、先生の経験の中からお話いただきました。その中で、補助者からどのように情報を引き出すか、具体的にどのように聞いていくかが重要であるとのことでした。 最後に、私たち視覚障害者が裁判員として選出された場合、「見えない」からできないと考えるのではなく、「見えない」からわかることをしっかり提示して積極的に関わっていくことが大切であるとおっしゃっておられたことが、とても印象に残りました。 |